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2025/05/28

1年ぶりの更新

このたびは、とみかわデンタルオフィスのインプラント専門サイトをご覧いただき、ありがとうございます。

当院は開院してまだ7年目ですが、多くの患者さんにご来院いただいており、なかには治療後にご家族をご紹介くださる方もいらっしゃいます。信頼していただけることの重みを感じながら、日々診療に取り組んでいます。


一人の患者さんとの出会い

開院から2年ほど経った頃、70代の男性の患者さんが来院されました。
奥歯のセラミック治療を希望され、治療中もこちらへの気遣いをしてくださるような、穏やかで優しい方でした。
治療後も定期的にメインテナンスに通っていただき、お会いするのが毎回楽しみでした。

ところが、ある日体調を崩されて通院がしばらく中断に。
久しぶりに来院された際には、それまで健康だった前歯の歯周病が急激に進行しており、私たちも驚きを隠せませんでした。
その後、前歯にもセラミックを用いた修復治療を行い、再びメインテナンスに移行できましたが、体調は思わしくないようでした。

その後、ご主人の付き添いで来られていた奥さんの治療も担当させていただくことになりました。

奥さんの治療ではインプラントも含めた補綴的なアプローチを進めていたところ、突然お電話があり、「主人が急変し、入院しました」とのご連絡をいただきました。そのときの奥さんの震えた声は、今でも忘れられません。1〜2ヶ月ほど経って、奥さんがクリーニングで来院された際、「数日前に主人が亡くなりました」とお聞きしました。

「病院でも歯間ブラシで口の中をきれいにしていたんです」と話され、その言葉が胸に深く残っています。

現在、当院には私より年上の患者さんが多く通っておられます。
急に受診が途絶えると気になりますが、こちらからご連絡するのが難しい場面もあります。
それでも、治療を行った患者さんがその後どう過ごされているのかを知ることは、歯科医師にとって大切なことであり、そこから多くの学びを得ることができます。

歯科治療の目的は、患者さんが人生の最期まで、口の中に不快な症状なく、しっかり機能を保って過ごせることだと思っています。

治療の結果を最後まで見届けることは難しいかもしれませんが、正確な診断と丁寧な治療を積み重ねることで、患者さんの生活の質を支える一助になれると信じています。

これからも、とみかわデンタルオフィスは、一人ひとりの人生に寄り添う歯科医療を提供していきたいと思います。

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